ああ結婚〜ソフィア・ローレンが演じる強い女

海外映画

娼婦と金持ちの男の話

(ネタバレ)これは、ただの玉の輿を狙う女の話ではない。

娼婦と金持ちのイケメンの道楽男の恋の駆け引きの話でもない。

貧乏臭い耐える女の話でも、もちろんない。

女性の底力と愛情に勇気づけられる話だ。

結婚に食い下がる女

娼婦だった女がお金持ちの伊達男の正妻にはなれず、内縁の妻として使用人の扱いを受けていく。

男は浮気も堂々とするし、女は男の家族にも認められない。

どんな悪い待遇を受けても、ソフィア・ローレンが演じる主人公の女は怯まない。

そして執拗に結婚を諦めない。

一見すると、したたかな性悪女が、お金のためにプライドも何もかも捨てているように見える。

金に目が眩んだ女の闘争劇。

ところが、一転して物語には裏の面があった。

彼女には本当の愛があった

娼婦だった彼女には、父親が誰だかはっきりしない息子が3人いた。

堕胎することなく人にあずけ、時々は会いに行って愛情をかけ、仕送りをして育てていた。

だから、執拗に結婚に拘ったのだ。

3人とも、彼の養子として迎え入れるために、彼女は画策していた。

20年以上も男女の確執を乗り越えて過ごしてきた2人が、最後にとうとう結婚をすることになる。

そこで、子供の存在を知るわけだが、1人は彼の息子だという。

けれど、どの子が息子なのかは明かさない。

3人とも引き取ってくれないと許さないと彼女はいう。

白髪が混じり、若い頃の勢いはなくなった頃、男の目の前に立派に育った息子が現れる。

ぜひとも引き取りたいが、誰が自分の血を分けた子供なのかわからない。

根負けして全員を息子に迎え、2人は結婚式を挙げることになる。

長く待った春だった。

彼女はそれまで恨みがましいことを言わず、強く凛々しく、誰になんと言われようと結婚を諦めなかった。

それがとうとう現実になる。

立派な3人の息子たちが2人の前に現れ、結婚の祝福をしていた。

部屋から出ていくときに、男は3人の息子たちに「お父さん」と呼ばれる。

男は、言葉に詰まる。

気の強いソフィア・ローレン演じる主人公の女は、その一言を聞いて堰を切ったように声を上げて泣き出す。

20年間どんなに酷い扱いを受けようと毅然としていた彼女が、大きな声をあげて大粒の涙をこぼしていた。

こんなに美しい涙を見たことがない。

母とはこんなに強く美しい存在なのか。

彼女の長い苦闘の陰で、薄っぺらだった男もいつの間にか3人の立派な父になっていた。

男はそのとき初めて知ったのだろう、彼女に支えられた人生だったことを。

Apsara

東京でアーユルヴェーダサロンを12年運営してきた元セラピストで、今はストリーライティングを仕事にしています。 映画・小説・ドラマ・占いなど、人の運命を辿るス...

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