わたしを離さないで~奴隷として生まれた人

ドラマ
孤児院での平和
ネタバレ注意
これは、とても怖いストーリーだった。
未来のお話なのか、すでに世界のどこかで起きている話なのか、ちょっとわからないところがある。
親のいない孤児が集まる施設が舞台。
そこは外界と隔絶された世界で、孤児たちがスクスクと育っていく。
ある一定年齢を超えたら、外の世界にでていくわけだが、そこで現実を知らされる。
彼らは、飼育されていたのだ。
売られるための体
いわば、飼育牧場で育てられた子供たちの体は、臓器移植のために繁殖された体だった。
十分に発育した体から、一つずつ移植用の臓器が取り出されていく。
残った臓器の数と、残りの生きる時間は比例していく。
臓器を取られる子供たちの中には、それぞれ夢があり、希望あった。
けれど全部奪われて、ただ差し出すための体として生きている。
資本主義システム
現実の世界でも、もしかして、あるのかしら?と思わされるようなストーリーではあるが、現実社会を翻ってみると、そこにも同じ景色が見える。
臓器は奪われなくても、奪われ続ける人生の時間。
この資本主義のシステムを維持するには、必要不可欠な労働やくだらない娯楽に時間を費やすシステムに乗っていることがすでに、飼育されていることと同じではないか。
作られた流行りに乗り遅れないように、好きでもないことを楽しんでみたり、嫌いなことを我慢し続けていたり、多かれ少なかれは皆している。
品行方正で、上質の肉になって、人の役にたち、
ああ幸せだった〜と死ぬのか。
諦めが早くて、摩擦がなくて、楽でいいな。
いや、誰にとっていいのかな?
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