告白〜ネタバレ注意、自己愛性人格障害からくる犯罪について

日本映画

少年犯罪と教育

(ネタバレ)

中学校で、教師の娘4歳が亡くなった。

その犯人が、中学生の少年二人であった。

少年法に守られることで起きてしまった事件でもあり、法律の是非を問うものでもある。

人が亡くなっても、「なぜ人を殺していいのか、わからない」ほど命の実感が薄い今時の子供たちを前に、母親である女教師は職を辞して戦う。

自分の娘の命を奪った中学生に対する復讐心でもあるが、同時に改心してほしいという教師の一面も最後は見せた。

自己愛性人格障害からくる犯罪

犯罪を犯した少年は二人とも、全能感をもった自己愛性人格障害である。

全能感というのは、生まれたばかりの赤ちゃんは皆持っていて、おぎゃあと泣いたら、ミルクなりオムツ替えなり、親が甲斐甲斐しく世話してくれた頃のもので、それは成長とともに減っていくのが正常な発達である。

それが、何らかの原因で、何歳になっても全能感が抜けない幼稚な考えしか持たない人格が形成されてしまったのが、自己愛性人格障害だ。

当然のことだが、大人になるにつれ、世の中は自分の思い通りにはいかないので、自発的に自分が時には我慢をしたり、折衝をして、人とうまく調和を取っていくことを覚える。

その過程で人の役に立ったり、協力したりという社会性も身につけていく。

ところが、この万能感強いと、周囲の気持ちはお構いなしで、我儘を通す俺様や女王様気質が過度な状態になり、社会不適応になった人たちを自己愛性人格障害と呼ぶ。

世界は自分を中心に回っていて、自分が思い通りにならないと人でも殺してもいいというような極端な考えに至ったのが、このストーリーの骨子だ。

母親の病

では、成長過程でどのようなことがあると人格障害にまで発展するかということをみていこう。

過干渉

少年Bの親のように、過干渉な親の元で育つ場合、俗に言う甘やかしが、子供の全能感を打ち消すことができなかったのである。

最後Bの母親は息子に殺されてしまう。

「うちの子は、問題ありません」と言い張りながら、殺されてしまう悲しい結末に、子育ての責任の重大さを見せつけられたようだ。

ネグレクト

これは、過干渉の逆で、親が子供のことをよく見ていないため、親の関心がほしいという欲求を抱えたまま成長することによる障害である。

少年Aのように、大きな事件を起こして自分を捨てた母親に注目してほしいという一心で、同級生を殺そうとする。

実際に一人を殺してしまうわけだが、そこにも生の実感はない。

殺された女生徒もそれほど生への執着がないように描かれている。

ところが、少年Aが求めて止まない母親が、亡くなったとき、Aははじめて人の死に直面する。

本当にほしかった温もりや愛情、親から認めてもらうチャンスが永遠になくなってしまったという喪失感で気が狂いそうになる。

ここではじめて、彼は命を粗末に扱っていけないと実感したのだろう。

逆を返せば、愛情を知らないことには、命の大切さが実感できないで育つのだということを思い知った。

自己重要感が抜けないあなたへ

自分を大切にする、あるがままの自分を大切にするということと、自己重要感を強くもつということは、反対のことである。

自己重要感とは、他人から褒められたり、認められたりするために、自分の長所や成果をアピールする性質を持つ。

わたしは、どれだけ素晴らしいかを他人に認めさせたいというのが、大人になっても続いている場合は、子供の頃にあるがままの自分を親に認めてもらえなかった人に多い。

人より優れているから素晴らしいのではなく、劣っているように見える部分も自分の個性として受け入れることが、自己肯定感を上げる唯一の道である。

自己肯定感を上げる方法

親は選べないし、過ぎてしまった生育過程は取り戻せない。

今できることは、自分がナルシズムに囚われていないか、自己重要感を示そうとしすぎていないかを客観視していくことだ。

そして、人に隠したくなるような少し恥ずかしいと思っているようなところも人に開示していく経験をしていくと、自己肯定感が上がっていく。

開示したときの周囲の反応は、自分の想像よりもはるかに低いので、「なんてことないんだな」というのが実感としてわかるようになる。

自己肯定感の高い人は親になっても、自己肯定のできる子供を育てることができるようになる。

まずは子供にやいやい言う前に、自分のことを省みてはいかがか。

逆にチヤホヤしたり、自分の思い通りに動かすことを教えるようでは、末恐ろしいことを肝に銘じよう。

Apsara

東京でアーユルヴェーダサロンを12年運営してきた元セラピストで、今はストリーライティングを仕事にしています。 映画・小説・ドラマ・占いなど、人の運命を辿るス...

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