湯を沸かすほどの熱い愛〜ダメ男vsしっかり女房

女が男を作るのか
悪い女は悪い男を作るが、悪い男が悪女を作るわけではないと昔から聞きます。
女性が生活に根差して存在で、そこに繋がって漂浪しているのが男性だという女性性と男性性の特徴の喩えなのかもしれませんが、
果たしてそうなのでしょうか?
もちろん統計的な事実ではないですし、どのような場面のことを言っているのかイメージしてみたいと思います。
ダメ男はずっとダメ男
(ネタバレ)
私の大大大好きな宮沢りえさん演じる主人公の双葉は、幼い頃に母に捨てられた過去を持ち、現在娘と二人暮らし。
夫は1年前に蒸発したが、変わらず気丈に生活を続けている。
ある日、ステージ4の癌の宣告をされ残された数ヶ月、自分がやらないといけないことに向き合う。
まずは娘のために、探偵を使って夫を探し出し、頭をぶったたき連れ戻す。
この夫が、ダメ男の典型。
あっちにフラフラ、こっちにフラフラ、約束は守らないけど、情に弱いから風俗のお姉ちゃんの子供を自分の子供だと言われ、引き受けてしまう。
オダギリジョーさんが好演している。なぜかハマり役に見えてしまう。

奴は、その昔、聾唖の女性と結婚していて逃げられている。
つまり計画性のない男なのだ。
情に流されやすく「この女性を幸せにしよう」
と最初は思うのだけど、尻すぼみになりやすいのだ。
感激のシーン、双葉が入院しているところにピラミッドを組んで
「俺を頼れ!助けになるから!」
と涙ながらに叫んでいたけど、まあ、変わらない。
感動や決意では、劇的に人は変わらないのだ。
その瞬間は、動かされていて、感動しているだけで、
それだけ。
盛り上がって終わり。
誠実さは、継続性だ。
自分が深いところで反省し変わろうとしたら、まず行動が変わる。
その行動が毎日続くから、人生が変わる。
感動して、泣いて叫んで、次の日からまた同じルーティンで生活していてもなーーんにも変わらない。
詰まらない男だな
以上
しっかり者の女
ダメ男がいると、女は頑張るしかない。
稼業も思春期の娘も全部自分が抱え込み、笑顔でポジティブに頑張る太陽のような肝っ玉かあちゃん。
もし彼女に甘えさせてくれる男性がいたら、彼女は癌にもならなかったかもしれない。
けれど、そうしたら彼女はその頑張りを発揮することができないし、健気なおかんにもなれないのだ。
だからダメ男が必要なのだ。
「もう、わたしがいないとダメなんだから」というのがないと存在理由がないほどの欠落感を双葉は母親に捨てられた時点で抱いてしまったのだ。
しっかりしたい女がいたら、男はサボるしかない。
そうしたら彼女は、頑張るしかない。
周囲が彼女を褒め称え、男をなじる。
男は損な役割を背負わされることになる。
結論
悪い女は、悪い男を作ってるんでしょうね。
この記事へのコメントはありません。